住む街として成長を続ける西新宿に登場したタワーマンション
西新宿一帯は、日本を代表するビジネス街として広く知られる。しかし、ここ10年ほどは、再開発によってマンションなどの住宅も整備され、「住む街」としての認知度や機能が向上。今回紹介するザ・パークハウス 西新宿タワー60も、ビジネス一辺倒という一帯のイメージを大きく変える大規模マンションだ。例えば、マンションの足元に広がる公開空地「結いの森」。その名のとおり豊かな緑をたたえた公園で、新宿副都心のオフィスビル群がほど近い立地ながら、閑静な住宅街然とした静かで落ち着く住環境を創出している。
大きな特徴である住人の多様さを魅力にしていく
約1000もの世帯を擁するザ・パークハウス 西新宿タワー60の大きな特徴のひとつが、住人の多様性だ。もともと再開発組合の理事だった管理組合の理事長は、次のようにいう。
「年代や家族構成、国籍など、実にさまざまな住人がいます。また、従前からの住人と新しい住人をどう結び付けるかは、再開発計画時からの大きな課題でした」
そこで、開発事業社が中心になってスタートしたのが「西新宿CLASS in the forest」だ。自然・防災減災・多様性という3つのコンセプトを軸にしたコミュニティ形成に向けた取り組みで、マンションが入居可能になる前から、さまざまなイベントが開催されてきている。
取材時点で、入居開始から約2年が経過しているが、理事長によれば、徐々に住人同士の輪が形成されてきたそうだ。
「イベントを通じて知り合いになったり、仲良くなったりというケースが散見されます。まだまだこれからではありますが、明るい兆しですね」
西新宿CLASS in the forestのコーディネーターとしてイベントを企画立案しているHITOTOWA INC.のスタッフは次のようにいう。
「首都圏や関西圏を中心に、100戸未満のマンションから1000戸を超えるマンションや団地エリアなどを対象にコミュニティ形成のお手伝いをしていますが、他と比べても、ザ・パークハウス 西新宿タワー60の住民の方々は非常に多様だと感じます。今後も、さまざまなつながりが生まれるような仕掛けを実施していきたいですね」
多彩な共用施設は、住人の要望を採り入れながらルールを再考
ザ・パークハウス 西新宿タワー60には、多くの大規模マンション同様、多彩な共用施設が備わっている。約2年が経過するなか、実情に見合わない管理規約や使用細則は見直してきているという。例えば、ゲストルーム。当初の利用者負担はリネン代だけだったが、多用する世帯とまったく使わない世帯があることから、公平性を担保するために利用料を設定したという。
「頼もしく思うのが、住人の多くがきちんと関心を持ってくださっていることです。共用施設関係のルールに関する要望書は、これまでに90件くらい集まっているんですよ。いくつかについては次の総会で取り上げ、見直しを協議する予定です」
上で紹介したENGAWAには、決められた曜日・時間帯に「コミュニティサポートスタッフ」が駐在している。このスタッフに申し入れれば、住人同士のサークル組成をサポートしてくれるという。
「つい先日、住人向けの説明会を実施したばかりなので、申し込みはこれからになります。このマンションの共用スペースは豊富ですし、近くには広い公園もあります。さまざまなサークル活動を展開する素地が整っているので、とても恵まれていると思いますね」
最後に、理事長に今後目指すところを聞いてみた。
「隣接地で工事が進んでいますが、今後も近隣に商業施設ができるなど、周辺の生活環境は年々向上していると実感します。コミュニティも育まれつつあるので、利便性はもちろん、暮らしのなかで感じる快適性・安心感はかなり高いと思います。あとは、ここをマンションとしてとらえるのではなく、ひとつの街としてとらえ、街全体としてどうあるべきかを考える方に増えていただきたいと思います」